育休からの復帰、今までと働き方が大きく変わり、困惑する人も多いと思います。
私、さーこもその1人です。
第1子育休復帰後、イメージしていた働き方が全くといっていいほどできませんでした。私の育休復帰はまさに大失敗と言えるでしょう。
頑張れば評価される、頑張って実績を作ることが正義!と考えて疑わなかった私は、環境の変化に愕然とし、落ち込みました。
そんな私が気持ちを切り替えて、自身の新たなキャリアプランを考えるに至り、前を向けるようになるまでの話を綴ります。
そう。きっかけは子連れMBAのプログラム「ライフシフトチャレンジ」でした。
育休復帰〜落とし穴にハマるまで
私は仕事が楽しくて仕方ありませんでした。
頑張った分だけ成果が出て、周りが評価してくれる。自分のやりたいことを形にすることができる。
育休復帰前も、またあの楽しい仕事ができると内心わくわくしていました。
巷で言われる家事の効率化はしっかりと対応し、夫も主体的に家事、育児に取り組む人。何とかなるだろう、と深く考えていませんでした。
そんな私は、復帰後すぐに、いろんな穴にはまりまくりました。
そして人生最大(?)の闇に落ちていきました。
私がはまった穴たち。当たり前のことと思われるかもしれませんが、私は本当に気づいていませんでした。
1.知らない人ばかり。浦島太郎とはこのことか
部署には知っている人は数人しかいませんでした。ほとんどは知らない顔。
朝、オフィスに入った時点で、何とも言えない不安感に襲われました。
そして新しい上司とは全くと言っていいほど波長が合いませんでした。何を目的に話をしているのか本当にわからない。その状態を解消したいけど、相談する相手がいません。
知らない人たちの中で、下手な動きも取れず、仕方なく、目的のわからない仕事をする日々。
通常はこの状況から1人1人と信頼関係を作ったりなどで状況を改善していくものですが、時短勤務だとそんな時間もありません。
ただ、ただ業務をこなして、周りの人と話す時間もなく、お迎えに間に合うギリギリの電車に飛び乗る。
新人の時、歓迎会が嫌で仕方なかったけれど、今では眩しい思い出に感じられました。
2.全然仕事ができない
それでも、自分がやるべき仕事を整理し意義を見出し、少しずつでも着実に成果を上げていけば良いと思います。
今までも、合わない上司だったり、何とも言われぬ環境で働いたりする経験はありました。
周りに振り回されず成果をあげることに邁進してきたし、どんな環境であってもそれができると、無意識に思い込んでいました。
今回は違いました。時短勤務で時間が圧倒的にない中、周りに打ち勝って成果を出すことなんてその時の私にはできませんでした。甘かった。
長期的な視点を持ってやっていけばできたのかもしれません。同じ環境でもできる人は多くいると思います。
ただ私は復帰して以前と同じような充実感を得たかった。それとはほど遠いと感じてしまい、勝手に絶望してしまいました。自分の想像力の欠如にとことん嫌気がさしました。
3.昇格できない
それまでの実績から、当然に昇格試験を受けられると思っていました。
実際は、あらゆる条件をクリアしても、その上で部署全体の推薦が必要で、時短勤務者はその推薦が取れないのが通例と言うことでした。フルタイムに戻しても育休復帰後すぐでは推薦は難しいとのこと。
早くに復帰したのには昇格への想いもありました。より大きな裁量権を持ってより大きな仕事をしたいと考えていました。
条件だけを見て、昇格試験を受けられると思い込んでいた私は、内心落ち込みました。
そして、子どもの存在
とは言っても、長い会社員人生、こんな時期もあります。新人時代は職場環境としてはより過酷でした。一時期を耐えれば、変わってくると考えればいいものです。
けれど当時の私の場合は、子どもの存在がそれをさせてくれませんでした。
子どもは日々成長していきます。成長の瞬間1つ1つを見ることより、私は自己実現を叶える方を選びました。
自分で選択したのに、いざ叶わないと感じてしまうと、子どもを預けたことの後悔ばかりが出てきました。
なんて自分勝手と思うけれど、どうしても朝晩子どもの顔を見るたびに辛くなる。
可愛い盛りの子どもを預けて、何をしているんだろう。満員電車の中で、毎日、毎日考えました。
「自己理解」のスタート
私はこのとき初めて、自分の人生を考えました。
仕事の意味がわからなくなり、子どもの存在に考えがぶれ続け、自分を定めることができません。
今まで自分で選択してきたと感じていたけれど、流れるままにきていたのではないだろうか。
人生の目的、大切にするもの、実現したいことといった、行動原理を考えたことはありませんでした。
自己理解ってどうやったらいいの?
もやもやが続く日々。子どもを預けて今の仕事を続けることは辛い。
考え続ける中で、子どものことがなくても、続けるモチベーションがよくわからなくなってきていました。
まさに人生迷子。
では仕事を辞める?(金銭面はさておき)
いや、子どもはとても可愛いけれど、育児以外で打ち込めるものが欲しい。
けれど何がやりたいのかわからない。。
自己啓発本をいくつも読んでみましたが、これだ!という答えは出ません。
答えはそう簡単に出ないし、自分を変えたいけどこの年齢で変わるなんて難しい、と諦めていました。
そんな中、出会った「ライフシフトチャレンジ」というプログラム。
書籍・LIFE SHIFT にある変身資産を身につけ、自分らしい人生を切り開いていくというもの。参加メンバー同士で相互メンタリングも実施するとのことでした。
これまでの自己理解は1人で悶々とやるものばかり、マイナス思考の私には悪循環でしかなかったように思います。
何かこれまでと違うやり方で、少しでも、1つでも変われたら。この沼から抜け出したいという想いから参加しました。
自分と向き合う3ヶ月 〜ライフシフトチャレンジ〜
12人のメンバーと共に、ライフシフトチャレンジプログラムでは「自己理解」を徹底して行いました。
毎日実践!内面の言語化
FBグループに毎日投稿があり、それに対するコメントや、ワークを実践します。
同じ想いを持ったメンバーに対しての投稿は、まさにピンポイントで胸に刺さるものでした。また、それに対応しての「言語化」は、自分の奥の奥まで探るものであり、頭も体力も使うものでしたが、今まで見えなかったものが見えてきました。
FBグループ上にテキストで言語化する、というルールもとても効果的でした。1人だとしんどくて断念しそうなものも、互いに共有する、というルールがモチベーションとなりました。
言語化に慣れてきて、自分にあったやり方もわかってきました。
私の場合は「1ページノート」です。前日に起こったこと、感じたことをひたすら書き、A4ノート1ページを埋めるというもの。
思いついたものから羅列し、深く考えない(マイナス思考に陥らないよう)。1ページ終えて客観視すると、見えてくるものがあります。
オンラインイベント
定期的に開催されるイベントも刺激となりました。
自分の強みや、やりたいことを明確にするWSでは、口頭でより細やかに自分を表現することを実践しました。
またテキスト上では表現しきれないところまで、お互いに質問し、理解し、その一連の流れがまた自己理解へと繋がります。
相互メンタリング
特に効果的だったのが相互メンタリングです。
3人1チームで相互にメンタリングを行います。しっかりと時間をとって、定期的に内面の言語化を実践します。このような経験はこれまでなく、自分でも思いもよらない言葉が次々と出てきました。
何より、人生を切り開きたいという同じ想いを持った仲間と進めていくことが、とても良い効果を発揮したと感じています。
少しずつ、自分が見えてきた
プログラム終了の頃には、私は明らかに変わっていました。
人生の目的はこれだ!という答えまではまだ出ないけれど、方向性が定まり、今年、やり切りたいことが明確になりました。
言語化が習慣づいたことで、頭がクリアになり、ぐるぐると悩むことが格段に減りました。
プログラム終了後もメンバーとの相互メンタリングを定期的に続けていて、進捗を話したり、新たな悩みを相談したりしています。これがとても良い刺激になっていて、日々のモチベーションに繋がっています。
これからも模索する中で、自分をどんどん知っていくことが楽しみです。
自己理解を続ける大切さ
私は復帰が上手くいかなかったことがきっかけで、「自己理解」が始まりました。
エネルギーが落ちている中、自分ととことん向き合うことはしんどかったけれど、今回の経験は、これからの人生の財産になると感じます。
書籍・LIFE SHIFT にあるのは、今後起こる予期せぬ出来事、ライフイベントを、自分の様々な資産を持っていかに変身を遂げて乗り越えていくかというもの。
育休復帰では、多くの人が大きな環境の変化を経験します。
資産はそれぞれであり、どれも大切だけれど、そのベースにあるのは自己理解と感じます。
自分を理解してこそ、進みたい方向、それに伴う必要な資産が見えてきます。
私はライフシフトチャレンジを通して、自己理解を進めましたが、やり方は人それぞれです。自分に合った自己理解の方法を探して、見つけて、進めてみてほしいと感じます。
自己理解が、自分らしい人生を切り開くスタートです。
大きな影響を及ぼす変化、様々な出来事にも、穴にはまり動けなくなる前に、多くの人が颯爽と変身を遂げて乗り切っていってほしいと感じています。
私はこの考え方を知り、仲間との実践を経て、やっと前を向くことができたところです。
これから起こるであろう沢山の出来事に、しっかりと向き合い、自分らしい人生をアレンジしていきたいです。
PROFILE
さーこ/30代。子連れMBAメンバー
IT企業勤務。第1子の育休復帰後に働き方に迷いを感じ、ライフシフトチャレンジに参加。自己理解を進めながら、より楽しく生きる道を模索中。