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第56回「職場でも子育てでも活かせるコーチング」

講座&イベントレポート記事では、すでに開催済みの講座やイベントについて、運営メンバーが当日の様子や講義内容をレポートをいたします。

今回は、1月22日(水)に開催したコーチング講座をレポート!
まずは事前知識としてイベントの簡単な概要からご紹介。その後レポートをお楽しみください。

講座概要

講座名:
第56回「職場でも子育てでも活かせるコーチング」

日時:
2020/1/22(水) 10:30~12:30

講師
本間 正人(ほんま まさと)先生  
京都造形芸術大学教授・副学長

 

講座レポート

記念すべき2020年最初の講座は、「職場でも子育てでも活かせるコーチング」と題して、現在京都造形芸術大学教授・副学長を務められている本間正人先生を迎えて開催しました。
本間先生は、「教育学」を超える「学習学」の提唱者であり、「楽しくて、即、役に立つ」参加型研修の講師としてアクティブ・ラーニングを25年以上実践されております。日本のコーチングにおける第一人者であると言っても過言ではない方をお招きし、ぷちガチ講座を開催致しました。

 

最終学歴 VS 最新学習歴


冒頭では、学習学のエッセンスについて、ご説明を頂きました。
本来人間は学習行動により学ぶ存在であり、学習者が主体的に学ぶ事が中心であり、最終学歴で学びが終わるのではなく、個々の最新学習歴を更新していくことが大切であることを学びました。

 

親子のコミュニケーションとコーチング

 

過干渉や過放任は親子のコミュニケーションにありがちなパターンで、どちらも問題があり、中間にある”ちょうどよい”コミュニケーション術が、「コーチング」であるとのこと。ちなみに、コーチ(coach)の語源は馬車で、大切な人を現在の所から望む所へと送り届けるという意味が込められているそうです。

 

2つのワークでコーチングスキルを実感

 

コーチングとは、人の自発性を引き出し、人を動かすためのスキルです。①傾聴、②質問、③承認(ほめる・叱る)の3つのスキルがあり、傾聴と質問についてペアでワークを行いました。
 
傾聴のワークでは、聴く側は、傾聴の際に重要なアクティブリスニングの3要素(あいづち・うなずき・くりかえし)を完全になくした状態で話を聞くというものでした。話し手は聴き手に話を聞いてもらえないと感じてしまう影響で、話の落としどころを探ってしまい、集中できず、時間が長く感じたなど、ペアになった方と体験を共有しました。聴き手の姿勢がいかに話し手に影響を与えるのか、ということを体感することができました。
 
質問のワークでは、スポーツの「ヒーロー・インタビュー」を行いました。インタビュアーはアクティブリスニングを心がけ興味・好奇心をフル活用し質問をし、ヒーローは一番頑張ったときの事や成功体験を話すというものです。向かい合わせではなく90度の位置関係(〇子の部屋方式)に座り、ワーク行うと、不思議とペアになった方との距離感が縮まり、話し手も自分が話しているだけなのに明るく前向きな気持ちになりました。

先生はワーク後、「100回元気を出せというよりも、1回のヒーローインタビュー。心と心が通い合うコミュニケーションで、親近感が高まる。」と話されていました。また、「コーチングの3つのスキル(傾聴・質問・承認)で傾聴は一番大事なスキル。傾聴は自我を捨てることがキーポイントで、子育てにおいて親は子ども優先、自我を脇に置くというトレーニングを日々行っているようなもの。傾聴については、子育てを経験した方は優れている。」と話され、子育てをコーチングに活かせるんだと自信が湧きました。

 

親が学び続けること と 子どもの教育

 

「勉強しなさい!」…強制的な発言には、作用反作用の法則が生じ、抵抗が生まれる。子どもが勉強するようになるためには親が学び続け、最新学習歴を更新し続ける姿、学ぶことが楽しいという姿を見せることが大切で、それをみて子どもも学ぶことに興味を持つとのこと。
また、AIが当たり前になる世の中で、子どもへの教育として、今後求められる有能性としては、①人間関係構築能力、②初期条件を与えられないで、感動して発見する力、③創造力、④主体的にチャレンジすることが挙げられ、親としてはそういう能力を培うためには、子どもの五感を刺激する、本物に出会う体験をさせることが効果的であるとおっしゃっていました。先生は、「一人一人違うから、自分の子どもに様々なことを経験させてあげる中で、どんなものにどんな反応を示すのかを記録しておくといよい。また、子どもが何かにはまって興味を持つ力にはブレーキをかけない方が良い。YouTubeなどに夢中になるのは、それが今までの人生の中で一番面白いものだから。それを制限するのではなく、親も一緒に見て、良いと思うものを見せることや、それ以上に興味を持つものを探すことをして行けば良い」と話されておられました。

 

終わりに

 

先生の講義は、始終学べる内容を話しておられ、その多くのエッセンスがありました。特に衝撃を受けたのは、学校教育が人生で占める面積の狭さについてのお話。もしもこどもが学校教育から外れてしまっても、学ぶということについては他のコンテンツもあり、こどもに合わせて考えてあげれば大丈夫なんじゃないかと感じました。また、これから最新学習歴を更新することで、自分が成長できる可能性はまだまだあるんだと、学習へのモチベーションも上げることができました。そんな中、ぜひ実行したいと感じたのが、今の育児を通して自分が成長したことを言語化して記録に残すという行為。職場復帰後には、育児と仕事の両立に悩むことが多いと思います。そんな時に、それでも育児でこんな成長があったのだからと思えれば、心の支えになってくれるのではないかと感じました。
また、アクティブリスニングの姿勢やヒーローインタビューについては、職場ですぐにでも活用できるスキルだと感じました。自分が管理者として部下を持った時には、部下の頑張りに対してヒーローインタビューをし、お互いに心の距離を近づけて明るく前向きな職場の雰囲気を醸成するため、コーチングスキルをこれからももっと深く学びたいと感じました。

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