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「子連れ×仕事」インタビュー② 中小企業でも企業型保育園を設立! フラットエージェンシー様

 

子連れMBAでは、「子連れの日(5月20日)」制定にあたり、「子連れ×仕事」のための取り組みに挑戦されている企業・団体さまへのインタビュー企画を実施しています。
今回は、元々店舗だった場所を活用し、2021年3月22日に企業型保育園「きょうと保育園」を開園された、株式会社 フラット・エージェンシーの吉田 創一 代表取締役と、3回の育休を経験されている社員の村井 小紅さんに、当コミュニティ主宰の赤坂がお話を伺いました。モデレーターは前回に引き続き、阪本 純子さん(京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)コーディネーター)です。

 

 

産休・育休制度の取組みに加え、復職後も柔軟な働き方に対応

 

ーーまずは、御社での「子連れ×仕事」の取り組みについてお伺いできますか?

吉田 創一さん(以下、吉田) 社員の産休・育休制度の活用はもちろん、育休からの復職後の働き方も本人と相談しながら、時短勤務制度や出勤日数の調整など、雇用形態も含めて柔軟に対応しています。育休取得後の復職の割合は増えてきて、ほぼ全員の人が復職しています。また、2021年3月には、企業型保育園「きょうと保育園」を開園しました。

 

ーー中小企業だと、育休を取れない企業さんも多いので、産休・育休を取得できるのは素晴らしいですね(同社従業員数は、約80名)。

吉田 10数年前までは我々もなかったです。年々女性社員の割合が増えてきて、現在では45%が女性社員です。それまでは、結婚をして辞めていかれる方も結構多かったですし、出産・育児のタイミングで辞めてしまう方も多かった。でも、せっかくそれまで経験を積んでもらったので、辞めることなく、何かしら知識を活かせられる仕事に就いてもらえると会社としても助かるなと考えて、取り組んでいます。

村井 小紅さん(以下、村井) 私が第一子(現在小学校6年生)を産む前に、他の社員で出産した方がいて、当時の常務がいろいろ産休・育休制度について勉強してくださってました。それで、その方がスムーズに産休・育休を取得でき、その次に私も産休・育休を取ることができました。会社が先に勉強してくれてたのがありがたかったです。その後も、産休取る人が増えてますね。

吉田 今は復職の割合は増えてきてますね。ほぼ全員の人が復職しています。

村井 今私は正社員で働いていますが、2年前までは時短で契約社員として働いていました。

(写真左から)株式会社 フラット・エージェンシー 吉田 創一 代表取締役と村井さん

 

保育園をきっかけとしてみんなが安心して住める街づくりを

 

ーー保育園を作るきっかけは何かあったのですか?

吉田 10数年前から要望があったので、何かしらしたいなとは考えてはいたのですが、なかなか行動にはうつせず。そこへたまたま知り合いの税理士さんが、そこの職員さんが増えてきて託児所が欲しいという方がいたので、そちらの事務所と一緒に立ち上げようということになりました。

 

ーーなかなか実行に移せる企業さんが少ない現状から、保育園を立ち上げるのは簡単なことではないと感じるのですが、やはり大変でしたか?

吉田 やろうと決めてからの書類作成の大変さはありましたね。開園前の今年の1月~3月もバタバタはしていました。でも、コンサルタントの方にも入ってもらって進めたので、思ったほど大変ではなかったです。意思決定に関わるのが2社だけだったので、スムーズに進められたというのもあるかもしれません。昨年の6月に企業型保育園の申請を内閣府に提出して、新型コロナウイルスの流行もあったため、内諾が出るまでに少し時間がかかって、内諾を受け取ったのは12月でした。そこから3ヶ月弱で開園しました。本当は園児の募集を10月ぐらいからしたかったのですが、いつオープンできるか不明確だったので、募集をかけられませんでしたが。今年の3月から募集をかけて、今は、4名のお子様が利用されています。

 

ーースピード感がすごいですね! 保育士さんが不足しているともよく聞きますが、保育士さんはすぐ集まったのですか?

吉田 割とすぐ集まりました。潜在の保育士さんはいるんだなと感じましたね。小規模であるがゆえに、お子さんとじっくり向き合うことができるので良いという意見を聞きます。また、他園で園長先生をされていたベテランの保育士さんも加わってもらってるので、スムーズに運営することもできています。

赤坂 美保(以下、赤坂) 私も第2子の時に小規模保育園を利用していましたが、手厚くてすごくよかったです!

村井 手厚いですよね! 私も3人目が上の子と同じ保育園に入れなかったので、近所の小規模園に入所させたんですが、とても温かく保育してもらえて良かったです! もともと弊社は「街づくり」を掲げていて、その中の一環で、子供が集える場所、高齢者の方が集える場所をつくることに取り組み、安心して住めるような住みやすい街づくりを心がけているんです。

吉田 近隣の企業さんにもお声がけして、半分は社員に使ってもらって、半分は地域の方であったり、他の企業様の福利厚生に使ってもらって、住みやすい地域づくりにに繋げられたら良いなとも思っています。園の名前も、京都が住みやすい街になってもらったらと思いを込めて、「きょうと保育園」と付けました。

 

きょうと保育園 1・2歳児のお部屋の様子

 

柔軟に受け入れることでお母さんたちが安心して暮らせるように

 

ーー実際に通われているお子様は4名と先ほど伺いましたが、みなさん社員の方のお子様ですか?

吉田 1名は社員のお子様で、あとは地域の方のお子様が利用されています。中には、お母さんの就労条件から、認可の保育園を利用できない方で週に何回か利用していらっしゃる方もいます。

 

ーー園の受け入れは柔軟に対応可能なのですか?

吉田 はい、できます。一時預かりも行っているので、今後も積極的に受け入れしたいと思ってます。

 

ーー私たちの運営する「子連れMBA」に来られるような、育休中でも自分の勉強をしたいというお母さんにもいいですね。

村井 そうですね。私、育休中にいきなり社会から断絶された気持ちになって、産後うつみたいになってしまったんです。育休に入るまでは、いろんな人と仕事の話をしていたのが、急に子供と2人きりいなってしまったのがしんどすぎて。そのような方に、一時預かりという制度を是非使ってもらえたらと思います。私も当時知っていたら、もう少し楽に過ごすことができたのにな、と後から思いました。

 

ーー社員の方々は、自社で保育園が設立されたことに対して、どのような反応はいかがですか?

吉田 10月に保育園作るという話は社員にはしてて、申請がなかなか下りなかったので、「本当にオープンするの?」という雰囲気だったのですが、上の子と同じ保育園に入れなかったということで、男性社員1名のお子さんをお預かりすることができました。男性社員は特にですが、「なんかやってるなぁ」といった感じなので、そういうところから意識を変えるような取り組みをするのもいいかもしれないですね。

 

子育てしやすい街づくりを目指して

 

ーー今後「子連れ×仕事」に関することで取組みたいと考えられていることはありますか?

吉田 社員の半分ぐらいは子供がいるので、「子育てどうしたらいいんだろう?」「育休とはどういうものなのか?」などを地域の方々、これから子育てされる方にも、先輩社員からのアドバイスを伝えられるようなセミナーやワークショップなどをやりたいなと考えてます。あとは、他の地域でも保育園のニーズがあるのであれば、ご協力できることもあるのではないかと思ってます。

 

ーー社内の人と、外の地域の人を繋ぐようなオープンな場を作る取り組みはとても良いですね。新入社員は1日保育園でインターンをするとかもいいかもしれないですね(笑)

吉田 保育研修、いいかもしれないですね。家族連れのお客様もいるので、子供がいる生活をイメージできて、住まいの提案にも役立ちそうでいいですね。

 

ーー分かってもらっている方が、お客様も安心感が得られていいですよね。是非「子連れの日」を、いろんな立場の人たちが集い・話すことで新たな発想力を生み出すきっかけにしてもらえたらなと思います。今日はありがとうございました!

 

今回取材で伺ったTAMARIBAは、同じくフラット・エージェンシーさんが運営する地域の交流サロンです。当日は、お茶を楽しみにいらっしゃったご近所の方がいらっしゃいました。また、キッズルームを完備しているので、コロナ禍以前は子育て中の方の利用も多かったそうで、まさに老若男女の方々が集う場所でした。地域の方々に寄り添った街づくりを、社員に寄り添った働く環境づくりを、どんどん形にされているフラット・エージェンシーさん。「子連れ×仕事」に関する今後の取組みにとても期待を感じられました。

(ライター・おち のりこ)

 

<プロフィール>
吉田 創一(よしだ そういち)
2005年 、株式会社フラットエージェンシー入社。2015年7月、創業から40年という節目の年に、代表取締役に就任。創業時からのおもい「お客様の笑顔が、私たちの喜びです」という経営理念を胸に、全社員が一丸となって一層の努力と挑戦を続けている。
株式会社フラットエージェンシー: https://flat-a.co.jp/
きょうと保育園: https://kyoto-hoikuen.com/
TAMARIBA: https://tamariba-kyoto.com/

村井 小紅(むらい こべに)
5歳、9歳、12歳の母。入社から3度の育休を経験。2008年フラットエージェンシー入社後、3度の育休復帰を経験 同社の広報業務全般に従事する。

 

赤坂 美保(あかさか みほ)
10歳と6歳男子の母。子連れMBA主宰。1人目妊娠中&産後にMBAに通い、2人目育休中の2015年に「子連れMBA」を立ち上げる。15年以上の企業勤務を卒業し、子育て関連事業を複数立ち上げ中。子連れMBAを運営する(一社)ぷちでガチ代表理事も務める。

 

阪本 純子(さかもと じゅんこ)
8歳と3歳男子の母。京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)コーディネーター。 二人目出産後、勤務する経営コンサルティング会社で、半育休・子連れ出勤を実践。SILKコーディネーターとして、多様な働き方生き方ができる社会を広げたい思いで活動中。

 

<ライター>
おち のりこ
8歳と5歳男子の母。子連れMBA運営メンバー。自動車部品製造メーカー勤務時に2回の産休・育休を取得。自身のワーママ経験から、代表 赤坂の熱い想い・ビジョンに共感し、子連れMBA運営に参加。現在はフリーランスで活動中。

 


子連れの日の「子連れ」×「仕事」はまだまだ様々な企画が目白押し。
もっと知りたい方は、こちらのページをご確認ください。


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