講座&イベントレポート記事では、すでに開催済みの講座やイベントについて、運営メンバーが当日の様子や講義内容をレポートをいたします。
今回は、5月29日に開催した「親子で学べるシステム思考」のイベントをレポート!
まずは事前知識としてイベントの簡単な概要からご紹介。その後レポートをお楽しみください。
イベント概要
イベント名:
☆休校・自宅保育応援特別企画☆『親子で学べるシステム思考』オンライン連続講座
第1部『子ども向け(5歳~小6まで対象)システム思考のワーク』
第2部『大人向け(親対象)のシステム思考講義&ワーク』
日時:
2020/5/29(金) 13:00~15:00
(オンライン講座)
講師:
システム思想教育家 福谷彰鴻さん
講座レポート
新型コロナウイルス拡大の影響による、休校&自宅保育&配偶者や自身の在宅勤務など、様々な状況が重なり、自分自身の時間をとることができない…でも、学ぶことを諦めたくない!という方々のために、今注目の「システム思考」について、子どもが親やお友達と一緒に学ぶ時間と、大人だけのガチな学びの時間をセットにした本講座を特別企画!。
5/1に実施されたパイロット講座から内容をさらにブラッシュアップし、3日程の連続講座(5月29日、6月9日、6月21日)としてお届けしています。
今回は、5/29(金)に開催した第1回目の講座についてご紹介します!
システム思考とは
「システム」という言葉を聞くと、ITや理系の学問の印象を持たれる方も多いと思われますが、システム思考におけるシステムとは、相互に影響を与える関係性のこと。人や社会やものごとは相互につながりあっていて、関係性の中で存在しています。この「つながり」に着目して、個別のできごとや目の前の出来事といった「氷山の一角」だけにとらわれるのではなく、背景にある経緯、人の思考や感情、物理的な要素など、全体の構図に目を向ける考え方が「システム思考」です。
第1部
第1部『子供が学ぶシステム思考』では、まず初めに、「システム」という言葉を学ぶところから始まりました。講師の先生の問いかけに、元気に答える子どもたち。オンラインでの授業に最初は少し戸惑った様子の子どもたちでしたが、すぐに慣れた様子で先生の話に聞き入っていました。さらに、おもちゃや手を使ってシステムの動きや考え方について理解を深めた後は、子どもたちも大好きな絵本の登場。システム思考がよくわかる「しあわせのバケツ」を読んでもらいました。心のバケツが満たされている時に親切システムが作動して、心のバケツが空っぽの時に意地悪システムが作動する、という、大人もドキッとするような内容。子どもたちもとても理解しやすかった様子で、「親切システムを作って誰かの心のバケツをいっぱいにするには?」 「意地悪システムが作動している人を親切システムに変えるにはどうしたらいい?」との先生からの質問に、一生懸命考えて発言していました。
私が親切な行いをすれば、あなたはきっと幸せな気持ちになる。あなたの心が満たされれば、私もまた、とっても幸せな気持ちになる。こうしたプラスの連鎖を、日々起こすことができたらいいなと、子どもたちとともに大人も学んだ、素敵な時間でした。
第2部
第2部『大人が学ぶシステム思考』では、氷山モデルに基づいてシステム思考のプロセスを学びました。普段私たちに見えているほとんどは「できごと」のみですが、一歩引いてみてみると、何かがどんどん増えていたり、減っていたり、あるいは同じことが何度も繰り返されていたり・・・そのできごとは「パターン」の中で生まれていることに気づきます。さらに、このパターンを引き起こしているのが、「システム構造(規則や制度など)」というわけです。グループワークでは、氷山モデルに則り、私たちが注目している「できごと」を取り上げ、そこにはどんな「パターン」と「システム構造」があるのかを議論しました。普段目にするニュース一つをとっても、いかに私たちが、表面的な部分しか見ていなかったのかということを痛感しつつ、単にできごとのみにフォーカスするのではなく、そのできごとを引き起こしている根本的な仕組みまで理解しようとすることが重要であると学びました。実はこうしたものの見方は、身近なところで、例えば子どもとの関係の中でも、活かすことができる内容なのではないでしょうか。子どもがついやってしまう失敗にも、実は何かもっと深い原因があって、それは、親が改善できる(すべき)ことなのかもしれない…。様々な意味で学びの多い、あっという間の1時間でした。
終わりに
今般のコロナの感染拡大によって、失ったものに目が向きがちな昨今。でも、在宅勤務を経験することで、これからの新しい働き方について深く考える機会を得ることができたり、自宅保育によって子どもたちと過ごす時間が増え、濃密な時間を家族とともにできたりと、プラスな面も意外と多かったのではないか、と感じています。
今回の講座は、まさにそんなプラスの面を大きく感じる機会となりました。気軽に外に出られないという環境の中で、学ぶことを諦めたくない、むしろ、時間が少しでもある今だからこそ、それを自己投資に使いたい!という親の気持ちを、すっぽり満たしてくれる、そんな有意義な時間でした。特に、グループワークでは、久しぶりに大人同士の議論を楽しむことができ、鬱々としがちな毎日に、わくわくした刺激を感じることができました。また、子どもたちにとっても、このオンラインでの講座受講は、とても素晴らしい経験になったのではないでしょうか。驚いたのは、まだ未就学の幼児も含む子どもたちが画面上の先生の講義を集中して聞いていたこと。そして、元気に発言をしていたこと。慣れないことに、最初は戸惑いもあったでしょうが、しっかり、この機会を自分のモノにしていたような気がします。次回の講座でも、そんな子どもたちの素晴らしい可能性を垣間見ることができるのではないでしょうか。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました!