講座&イベントレポート記事では、すでに開催済みの講座やイベントについて、運営メンバーが当日の様子や講義内容をレポートをいたします。
今回は、8月2日に開催した交渉学講座をレポート!
まずは事前知識としてイベントの簡単な概要からご紹介。その後レポートをお楽しみください。
講座概要
講座名:
第39回 連続講座・前編「交渉学①~Win-Win関係の構築を目指して~」
日時:
2018/8/2(木) 10:30~12:45
講師:
松木 俊明(まつき としあき)先生
アーカス総合法律事務所 パートナー弁護士
関西大学非常勤講師
講座レポート
第39回目の講座は、松木 俊明先生による「交渉学」でした。
今回は2018年度連続講座の前編、関西大学の非常勤講師など多方面で幅広く活躍されている、弁護士の松木 俊明先生をお招きし、「交渉学」の講義をしていただきました。本会場を大阪、リモート会場を京都、名古屋、仙台として総勢40名が集まり、松木先生の軽快なノリとクスっと笑える講義、各会場で意見を出し競うような熱いディスカッションで盛り上がった2時間でした。
交渉学とは
はじめに、交渉”術”と交渉”学”の違いについて学びました。「交渉」と聞いて抱くイメージについて松木先生から質問があり、受講者の皆さんからは「勝ち負けがすべて」「自分が優位に立って利益を得たい」等の意見があがりました。このような考えで用いるのは交渉”術”であり、巧妙に相手を操って「してやられた」と思わせたり、手玉に取ったりする可能性があります。交渉”術のテクニックを相手が知っていたら、どんな気持ちになるでしょうか・・・Win-Winではなさそうですね。これに対し、交渉”学”はWin-Winを大事にし、相手のミッションまで考えて準備して行います。「交渉」とは互いに目標達成するための問題解決プロセスであり、それにより相手との関係を構築するものなのです。
交渉のポイント
次に、取引における価格交渉のショートケースを用いて交渉学の3つのポイントについて学びました。1つ目のポイントは、自分の抱いた印象を認知することです。人間はネガティブ感情の時、良い情報であっても聴き逃しやすくなることがあります。そんな自分を認知し立ち止まることで、相手からの情報を聴くことが出来るようになります。
今回のショートケースでは、値引きを要求してきた交渉相手の発言に対してどのような印象を抱いたかを各自が認知しました。2つ目のポイントは、ミッションを意識した事前準備・行動です。この交渉で何を実現したいのかを事前に明確に設定することが重要なのです。ショートケースでは、どの様なゴールを目指すかグループでディスカッションしました。3つ目のポイントは、相手のコンテキスト(隠された事実・意図)を考えたアプローチです。相手の背景であるコンテキストについて仮説を立てておくことで、相手の発言に対して感情的にならずに論理的アプローチができるのです。ショートケースでは、「なぜ取引先の担当者は最初に価格の話をしてきたのか?」など、交渉相手の発言の意図について仮説を立て、グループでディスカッションしました。
以上の3つのポイントを押さえることで、相手と深い信頼関係になり、Win-Winな結果に繋がります。
終わりに
講義の最後には松木先生から「もし今、育休はブランクであると感じているなら、交渉学を学ぶことで育休を強みに変えることが可能になります!どんなことでも事前準備ができるので心がけていきましょう。交渉学研究の先駆者であるハーバード大学の定義によると、言葉が通じると交渉学は活用できるのです」という心強いメッセージをいただきました。 この講座を受ける前は「育休を取ることでなんとなく肩身が狭い・・肩肘張らないと自信が持てない」と思っていましたが、先生の言葉によって自分が認めてもらえたようで嬉しく思えました。
9月の連続講座後編は模擬交渉です。ある事例について、次回までに各グループで事前準備をすることになっています。
熱い夏の課題・・・まるで夏休みの宿題のようです。そして、グループで集まることで絆も深まるのだろうなと連続講座特有のワクワクがあります。9月では自分達が知らずに今までやってきた「交渉のクセ」も学ぶようです。知りたいような怖いような・・・続きは9月にレポートいたします!お楽しみに!