講座&イベントレポート記事では、すでに開催済みの講座やイベントについて、運営メンバーが当日の様子や講義内容をレポートをいたします。
今回は、1月24日に開催した経済についての講座をレポート!
まずは事前知識としてイベントの簡単な概要からご紹介。その後レポートをお楽しみください。
講座概要
講座名:
第19回「ビジネスと経済〜“お金”の仕組みから考える景気・金融・企業戦略〜」
日時:
2017/1/24(火) 10:30~12:30
講師:
大久保 隆(おおくぼ たかし)先生
同志社大学ビジネス研究科 名誉教授
講座レポート
第19回は大久保隆先生による「ビジネスと経済〜“お金”の仕組みから考える景気・金融・企業戦略〜」 でした。
小雪が舞い散る中、40名を超えるママたちが集まり、京都市の助成を受け、日本銀行出身の同志社大学名誉教授の大久保隆先生に、“お金”の仕組みの基本から日本経済の読み解き方まで、熱い講義&ランチ会となりました。
今回は、1年ぶりの京都開催、ウイングス京都(京都市男女共同参画センター)の市民活動サポート事業、そしてテーマは「マクロ経済」。当初は、この内容でほんとうに受講者が集まるか心配していましたが、募集当初から申し込みや問合せが相次ぎ、増席しての開催となりました。
経済活動の基本とは
大久保隆先生の講義は、「経済取引(ビジネス)とは何か」という基本からスタート。物価・為替レート・金利と、ニュースなどでよく耳にするけれど、分かっているようでよくわかっていない金融用語を、『さるかに合戦』などを例にして、丁寧にかつ簡潔にご説明くださいました。先生が最初におっしゃったのが、「今日覚えておいて欲しいのは“価値の交換(exchange)”という考え方です」。経済活動の基本は「交換」。そして、何にでも替えられて、誰が持っても同等な価値を持つ便利な道具が“お金”。なるほど、そう考えると、日々の買物も、労働の対価としての給与も、税金に基づく公共事業もシンプルに捉えることが出来ます!そして、これを踏まえて、最新のGDP統計を見ながら、日本の景気動向と経済の見方、考え方を学びました。最後に、金融政策と日本銀行の役割を、日本銀行のバランスシート(貸借対照表)から「発券銀行」「銀行の銀行」「政府の銀行」という日本銀行の三つの役割と、「貸出政策」「預金準備率政策」「公開市場操作政策」という主な金融政策の読み取り方を教えていただきました。
終わりに
講義時間は、約100分でしたが、先生のお話だけでなく、適時、グループディスカッション(GD)や質疑応答が行われ、最初のGDでは「課題1:米国子守協同組合の事例」について話し合い、各グループで出た解決案を発表しあいました。発表後、先生から出たお言葉は「みなさん、しっかり事前課題に取り組まれていて、レベルが高いです!」。ここから、先生のお話も、受講生の集中力もぐんぐん高まってきました(もちろん、受講生の多くが赤ちゃんをあやしながらです!!)。最後の質疑応答ではママたちから次々と手が上がり、やむなく、司会がご質問を打ち切る一幕もありました。
講義のあとは楽しいランチタイム!美味しいパンをほおばりながら、仕事や育児、講義のことなどおしゃべりの花が咲きました。
しかし、そこは<ぷちガチ!>。ぜひ、もっと大久保先生のお話が聞きたい、と質疑応答の続きがはじまりました! 「経済をもっと良く理解するためのおススメ本は?」「日本の景気対策はなぜ私たちの生活実感に繋がってこないのか」「日本企業の多くが、なぜこんなに生産性が低いのか」「トランプ政権誕生の日本経済への影響は?」「自分や子どもの将来に向けて、有効な家計防衛策は何か」など、様々な質問があがりました。先生はこれら一つ一つ丁寧かつ鋭いコメントをしてくださり、先生の暖かいお人柄と素晴らしい知性の一端に触れることができ、素晴らしい一日となりました。
私が印象に残ったのは、「日本経済を良くしたいと思ったら、自分の頭で考え、そして政治にもっと関心を持ち、政治に参加すること」との趣旨のお話でした。“お金”“金融”というと、つい避けてしまいがち、苦手意識を持ちがちな話題ですが、きちんと勉強することで視野が広がり、そこから改めて自分の今後の生活を考え、国の政策にも興味を持つきっかけにもなると思いました。運営メンバーからも「女性の社会参画に貢献する」という意味でも、年に一度は取り上げたいテーマ、との声がありました。 今回は、講座に先駆けて、初めて一般受講生も参加する予習会を行いました。予習会の参加者からは「予習会がなかったら事前課題に着手できなかったかも」「考えるヒントがもらえてよかった」などの意見をいただきました。また、予習会の様子やここで出た疑問点などはFacebookで発信し、また、大久保先生にもお伝えしたので、受講生もより質問しやすく、また先生の講義準備も参加者に寄り添ったものにしていただけたのではないかと思いました。
ウイングス京都の担当者や地元新聞社の記者、そして先輩ママからは、「私が育休をとった頃(約20年前)は、育休ママを捜すのも大変だった。そこからやっとここまで来たと、感慨深い」「京都の育休ママたちの、この『人財(パワー)』をもっとカタチにしていけたらいいね」「自分の育休中に、ぷちガチ!があったら・・・」とのお言葉をいただきました。私は、ぷちガチ!の運営に携わらせていただいて、つくづく、これまでの、働くママ、働くことをあきらめたママ、働く以外のことで頑張ったママ、そして、彼女たちを支えた多くの人たちのお陰で、結婚しても、子どもを育てながらも、社会から不要な制約や制限に縛られることなく、自分で選択し行動する機会が与えられている幸せを感じています。
今年度のぷちガチ!講座もあと2回(2/1,3/1交渉学)、そして、3月には初めての企画「復帰直前壮行会(3/7)」。これからも、ぷちガチ!ママの「ガチな学びと繋がり」がドンドン広がっていきそうな可能性を感じた、1月講座でした。